今日も山を登って来ました

山登りへの思いやレポートを写真で紹介するブログです

ポンコツは剱岳をめざす

剱岳(標高2999m  日本百名山

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早月尾根ピストンルート

登山日 2020/9/6(日)

総歩行距離 14km/累積標高↑2300m↓2300m

活動時間10:16

体力度★★★★★

危険度★★★★☆

絶景度★★★☆☆ ←ガスが無ければきっと4

※あくまで個人的な感想と計測

【コースタイム 登り】

馬場島登山口2:50→道標1:50→早月小屋2:10→剱岳山頂

トータル6:50

今回の結果 5:35

【コースタイム 下り】

剱岳山頂1:55→早月小屋1:25→道標2:10→馬場島登山口

トータル5:30

今回の結果 3:22

※結果のタイムは休憩時間も含む

【登山口へのアクセス】

車で滑川インターから早月川に沿って30分程度南下し馬場島キャンプ場へ。道路も長い山道ですが荒れてなく舗装されてます。バスはないそうなので、車以外は上市駅からタクシーにて。

【地図等の詳細データはヤマップにて】

https://yamap.com/activities/7583462 

 

ポンコツ剱岳をめざす

私は1600m付近の少し眺望の良い岩場に腰を下ろし、呼吸を整えました。

はっきり言って辛い、今回はダメかもしれない

今日は今年一番の目標登山なのに…

 

これまで剱岳を登る為に登山をして来たと言っても過言ではなく、登山を始めて5年目、遂にこの日が来たかと言う感じでした。

30代は仕事かタバコか家族かぐらいしか記憶が無く、子供の頃から運動音痴で動く事が大嫌いな私が、39才の時に肥満と謎の体調不良に悩まされて通院を始めた事をきっかけに、ランニング代わりに始めた山登り。

最初はハイキング感覚で登った奥多摩の日の出山や高水山、そして高尾山ですら、あまりの辛さと疲労で途中良く動けなくなり、ウチの家族や通りがかりのおじちゃんやおばちゃんに良く笑われてました。山登りはお年寄りがしているイメージでしたので、正直舐めてました。山登りは辛すぎる、なんでみんなこんな目に遭いながらわざわざ山を登ってるんだろうか…。

私は会社の仕事が出来ない先輩や後輩をポンコツと称して良くバカにしてましたが、山登りや運動に関しては、自分が本当にどうしようもないぐらい体力と根性が無いポンコツである事にこの年になり気づかされます。

 

その後、何を血迷ったのか私は奥多摩の山々を定期的に登り始めました。ランニングは秒でやめたのに、月二回程度の山登りは嫌々ながらも続ける事が出来た。最初は家族や友人と、そしてだんだんソロで。

体力が尽きてしばらく歩けなくなったり、何度も派手に転んだり、足が痙攣して動けなくなったり、日が暮れて暗闇の森の中を歩いたり。

心身共に疲弊しながら、もう今回が最後だと毎回思ってましたが、山登りをやめる事はなく、その代償に山は私に自信と勇気を与えてくれました。

奥多摩の主要な山は一通り登って少し山登り慣れし、奥多摩のボス的な山である雲取山を日帰り出来た頃、私は八ヶ岳やアルプスを登ってみたいと思う様になります。特に北アルプスは登山者の憧れの地であり、ドラクエ竜王の城の様に見えているのに、遠く近づけない尊い場所…。

 

それから数年後、私は念願の槍ヶ岳の日帰り登山をなんとかやり遂げ、北アルプスの山は大体日帰り可能で、剱岳も射程に入ったと確信しました。やっとここまで来れた。

 

そして決戦の日、目指すは剱岳。早月尾根のピストンでもちろん日帰り。とても辛い登山になるのは分かっていたけど、これまで色々な山を日帰りして来たし、いつもどおり登れば、普通に行って普通に帰れるばす。恐れる事はない。

なのに、なんで今日に限ってこんなに辛いんだろう。確かにもの凄い急登続きだったけど、いつもならこれぐらいでこうはならない。そしてなんとか行動食を押し込むが、なかなか喉を通らず。体調不良のせいにはしたくないけど、やはり今日はなんか変だ…。

しかもまだ序盤でこの先は標高差で1000m以上あり、もっと激しく過酷になるのは目に見えている…。やはり今日は無理だろう。本当に悔しいし、何より引き返そうか悩んでいる自分に失望する。

 

私は運動音痴なただの素人ハイカーであり、若いうちから経験を積んで来た登山家やトレイルランナーの様な優れた身体能力や高度な知識や技術もないけど、

あるポンコツが人生の中盤にさしかかり、また仕事や家族以外で新たに頑張ってみようと思えた事がとても嬉しくて、多分今日ここにいる。

 

「試練と憧れ」

 

登山口に鎮座していた石標の言葉を思い出し、今日はただのピークハントではない。これは試練であり、だから苦しくて当たり前だと自分に言い聞かせました。

アルプスの山麓に憧れを抱き、長い道のりを経て、幾つもの山々を登ってここに来た。辛い目にも恐ろし目にも遭い、そして何よりたくさん感動してきた。

だからこそ今日と言う大切な日にまたそれを味あわなくていいのか?

まだ水も時間も十分ある。どうなるか分からないけど、もう少し行けるとこまで行ってみよう。ちょっと不安で、ちょっとしんどいだけで、まだ動けるでしょ。

5年前、いつもそんな気持ちで奥多摩の山を登っていたよね!

 

 

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・試練と憧れ

 

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・AM5:00  朝がなかなか明るくならない季節


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・延々と樹林を進む。明らかに調子が…

 

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立山杉と急登ゾーンに突入。足が重い

 

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・この状況では妖怪にしか見えない

 

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・標高200m毎にこの標識。既に800m登ってる


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・途切れない樹林帯の急登。なんか凄く辛い


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・そしてついにこの岩に腰をかけて行動停止

 

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・毛勝山を見ながら、本気で撤退を検討中…

 

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・我慢してもう少し進んでみる事に…汗

 

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・とりあえず早月小屋まで。まだまだ遠い


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・池を見てチョット癒される


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・あー、やっぱもうダメかも…

 

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・展望の良い場所へ出た。富山湾を一望!


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・すると向こうに早月小屋発見


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・完全に閉店。もちろん水の補給も出来ない


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・小屋で引き返す人も多いとか。どうするか


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・フラフラだけど諦めずに進む…


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・やっとて森林限界を抜けた。樹林帯長かった


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・標高700mスタートで2400mまでは樹林帯


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立山や室堂を見たら少し元気が〜


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・早月小屋があんなに下に。帰りも辛いなぁ


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・樹林帯より気は楽だが


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・遠すぎる山頂を見て愕然。絶対無理やん…

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・そして道のりも一気に激しく


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・こんなの初めて見た。ミスったら落下

 

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・マッチ箱。見た目はカッコいいけど名前が


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・毛勝三山が下に見えて来た


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・あぁ…、一歩一歩が本当に重い。過酷すぎ


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・全然近づかない剱岳に絶句


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・見るんじゃなかった…ハァ(汗


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キリのない岩山登りに停止寸前。よくもってる


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・どんどん高度が上がっていく


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・止まっては進み、しばらく止まっては進み


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・なかなか凄い場所歩いてます


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・もう限界スレスレ。なんでこんな目に…


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・また見るんじゃなかった。後標高200m


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・気づけば山頂は雲の中へ


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・凄い高度感

 

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・結構登って来たことを実感


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・ここからがもっと辛かった。ゾンビ状態


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・足滑らしたら終わりやなぁ


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・剱様は超マゾです。どんだけ上がれば


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・鎖場ゾーンへ突入


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・なんかここネットで見たとこ

 

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・下は見ない方が良し


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・渡り切りました。最後の方がちょいコワ


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・雲もありなかなか山頂が見えん。ハアハア


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・向こうで大規模な落石の音が…


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・マジで落石コワイ。本気で落ちて来そう


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・絶句。元気なら絶対楽しかった


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・岩場が長く感じる。高度で呼吸が戻らない

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・ガスの中まだまだ上に…。限界なんですが


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・雲の切れ間から青空に見惚れる。


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剱岳登頂!遂に登れた〜!倒れそう…

 

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・引き返さなくて本当に良かった(涙

 

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・何も見えない、誰もいない岩場に横になる


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・もっと鍛えてまた登り直します!

 

さあ、次はどこを目指しましょうか

私の山登りは続く

 

ではでは