今日も山を登って来ました

山登りへの思いやレポートを写真で紹介するブログです

鷲羽岳を日帰りした

鷲羽岳(標高2924m 日本百名山

ワリモ岳(標高2888m )

祖父岳(標高2825m )

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折立からの雲の平からの鷲羽岳ピストンルート

登山日 2020/10/3(土)

総歩行距離 39km/累積標高↑3240m↓3240m

活動時間14:56

体力度★★★★★

危険度★★★☆☆

絶景度★★★★★

※あくまで個人的な感想と計測

【コースタイム 登り】

折立登山口3:50→太郎平2:20→薬師澤小屋2:35→雲の平山荘1:25→祖父山1:35→鷲羽岳山頂

トータル11:45

今回の結果 7:55

【コースタイム 下り】

鷲羽岳山頂1:30→黒部源流碑2:05→雲の平山荘2:15→薬師沢小屋2:30→太郎平2:55→折立登山口

トータル11:15

今回の結果 6:50

※結果のタイムは休憩時間も含む

【登山口へのアクセス】

車で立山ICから80分。立山方面へ向かい、有峰林道(有料往復1900円)を通って折立キャンプ場へ。有峰林道ゲートは7:00〜20:00通行可能。でも入る場合は19:00までらしいです。前日入りする場合はご注意を。有峰林道は値段が高い気もしますが、とても綺麗な道路で荒れ林道という感じではありません〜

 

【地図等の詳細データはヤマップにて】

https://yamap.com/activities/7973900 

 

夏の最後に曇の平にて

いったいどれだけ歩いてきたんだろう…

朝5時前にスタートし、結構な速さでもう8時間は歩いているけど、目的地の鷲羽岳は一向に近づく気配はありませんでした。私の前方を相方のテラさんが、無言で一定のペースで淡々と歩いていく。このまま進んで本当に大丈夫なのだろうか。体力的にはもう少しは持ちそうだけど、今日中に戻らなければいけない折立登山口はどんどん遠ざかって行くわけで…。いったい自分は何処まで来てしまったのか。険しい山容に紅葉の衣を身にまとった水晶岳に圧倒されながら、その不安は高まるばかり…。しかも今日は予想以上に寒い。休憩するとあっと言う間に体が冷えてしまう。もう夏ではないんですね。

 

雲ノ平山荘を出た時まだ10時過ぎでしたが、トレイルのベテランであり大先輩のテラさんが、

鷲羽岳まで行ったら日が暮れるまでに帰れないかもしれない。しかも今日はかなり冷えるし、後半は確実にバテるから、今日はここで引き返した方がいいかもね。」

と、言った言葉が思い出されます。今日何故ここにいるかと言うと、先日テラさんと焼鳥屋で飲んでいた時、テラさんが本で読んだ雲ノ平に行ってみたいと言ったがきっかけで。私も気にはなっていたものの、日帰りで行く所ではないと聞いていたし、しばらくは縁の無い場所だと思ってました。でもなんとか今日、無事に雲ノ平までは来れて、そのまま引き返せば日が暮れる前に帰れそうだったわけです。

 

折立を朝5時前に出発し、5時間半ぐらいかけて10時に雲ノ平に到着。距離にして15km程歩いて来ました。予想よりいいペースで到着。

「テラさん、この夏の最後と言う事で鷲羽岳水晶岳まで行きましょう!」

と言った私の言葉は安易だったのでしょうか。

雲ノ平が目的地だったので、正直ここまでの計画しかしてませんでしたが、更に奥へ進み12:00ぐらいまでに鷲羽岳水晶岳に着けば、二人の足なら18:00過ぎには折立に戻れるはず。

 

雲ノ平には初めて来ましたが、予想を超える場所でした。雲ノ平自体は山とかピークとかはなく、川や谷に囲まれた台地で穏やかな平地ですが、その周りをぐるっと北アルプスを代表する山々が囲んでいる。薬師岳黒部五郎岳、三俣蓮華岳鷲羽岳、そして水晶山。結構凄い光景に私は圧倒されました。これが北アルプスなのかと…。

景色を眺めていたら、どれでもいいから登ってみたいと言う欲求が湧いてしまい、一番近そうな鷲羽岳水晶岳ならと思ってしまったわけです。楽勝なんて全然思っていなくて無謀なのは百も承知。今日を逃したら今年はもう来れない、それだけでした。しかもテラさんと二人なら安心感もあるわけで。

 

雲の平を出発して2時間で鷲羽岳のピークを踏みました。疲れきった私を槍ヶ岳が私達を祝福。しかし私が知っている槍ヶ岳ではありませんでした。槍ヶ岳もこっちから見るとこんな姿に見えるのですね。凄いなぁ…、なんか泣けてくる。

北アルプスは、穂高や白馬、立山ぐらいのイメージしかありませんでしたが、こんな凄い場所があったなんて…。しかもまだまだほんの一部。来年は裏銀座を攻めてみよう。どこまで日帰りで行けるか分からないけど…。ていうかもうそろそろ日帰り登山は限界では?

なんて色々考えながらまた私は折立に向かい歩き始めました。折立までかなり急いで6時間。これからが後半戦かと思うと正直ゾッとしましたし、ナイトハイク確定です。

折立のゲートを門限の20時までに出るには、19時までに駐車場に戻らないとです。

ていうかそんなの無理じゃない…。こうなるぐらいなら、朝3時とかもっと早く出発するべきでしたね〜

 

 

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・折立に前日入り。あまりの寒さに朝の準備が遅れ、もっと早く出るつもりが5時前スタートになってしまう

 

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・折立の薬師岳登山口からスタート


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・闇の樹林帯を抜け、森林限界へ〜


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・有峰湖となかなか沈まない月


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・太郎平までの長い道のり。道はガレ気味ですが良く整備されてます


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・やっとで太郎平小山が見える


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・7:00 太郎平小山着。ここでお会いしたパーティーも、雲ノ平を目指すらしいです。もちろん日帰りではないですけど。


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・太郎平到着!まだまだ序盤

 

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薬師岳が素晴らしすぎます!まだ登れてないんだよなぁ

 

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・遥か向こうに見えるのは水晶岳ですね。まさかあの辺りまで行く事になるとは


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・せっかく登ったのに、かなり下って薬師沢方面へ


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・割と平坦で木道もあり歩き易い


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・大先輩のテラさん。今日はこの方を信じて!


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・いい感じに紅葉してます


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・沢沿いにひたすら進むと


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・8:20 薬師沢小屋到着。こんなところだったんですね〜。かなり山深い場所です。


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・まだ営業してました。水がウマし!


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・小屋の前の吊り橋を渡って先へ


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・かなり細くてちょい怖いんですが


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・水が本当に綺麗


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・薬師沢小屋の全貌。いいとこだなぁ〜


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水草に囲まれた滝も


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・この看板が地獄の始まり。予備知識がなくて完成にノーマーク。この直登は真面目にハンパないです!

 

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・いきなり岩の急登がはじまります!


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・登っても登っても上が見えない…。エンドレス急登。しかも岩がツルツルで滑り易いし


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・この直登で500mぐらい高度を上げます。下ってくる方も死にそうな顔してました…


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・登り終えた場所は雲ノ平です!やっと来れた〜。


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・自然の庭園がいくつかあるみたい


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・背後には今朝に見た薬師岳


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・そのずっと左手には黒部五郎岳。カッコイイ!


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・えぇ〜、槍ヶ岳まで見えるなんて。自分がいる場所の位置関係がつかめてません


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・延々と続く木道。素晴らしい場所です〜


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・やっと山荘が見えました!


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・10:00 遂に雲ノ平山荘に到着です!ここまで5時間ちょい、思ったより早く着けました〜


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・まだ準備中で、お客さんも誰もいません


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・黒部の山賊が面白いと、テラさんに勧められました


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・休憩していると変な雲が発生。今日は高曇りで、青空は無いですが、遠くまで良く見渡せます


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・テラさんと話あった結果、鷲羽岳に行ってみる事に。その為にはまず山荘のすぐ側にある祖父岳を登らなくてはなりません。


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・大迫力の水晶岳。厳ついんですね〜


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・すぐ側に見えていた祖父岳までも結構かかります。スケール感が麻痺してるかも


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・紅葉の水晶岳が素晴らしい!ここも近くに見えて実はかなり遠い


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・振り返ると雲ノ平とその背後に薬師岳。凄すぎ!


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・祖父岳と三俣蓮華岳の分岐。やっと祖父岳に取り付きました


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・かなりガレてる祖父岳の登り


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・11:30 雲ノ平山荘を出発して約1時間。祖父岳山頂。標識とか特に見当たりません。


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・ここに来て、やっと鷲羽岳の全貌を拝めました。右の穏やかな方です。その左手はワリモ岳。ワリモ岳経由で鷲羽岳


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水晶岳も本当にカッコイイ!半分から下に木が生えており、紅葉してます。


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・そして何より凄いのが槍ヶ岳!自分は今、いったい何処にいるのだろうか

 

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・なんか凄い光景!ていうか、鷲羽岳まだまだ遠い…。向かっていいいのだろうか


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・迷わずに先へ。もう引き返さない!


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・岩苔乗越を通過し


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水晶岳鷲羽岳の分岐。悩ましかったけど、今回は鷲羽岳をセレクト


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・ワリモ岳への道のり。辛そうやなぁ…


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・振り返って水晶岳への尾根。こっちもヤバそうだ


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・思った以上に上の方は岩々なワリモ岳


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・到着しました!


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・その更に向こうが鷲羽岳。そして背後に槍


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・とてもナイスな山容です!素晴らしい〜


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・結構体力が尽きて来た様な…。そんな事も言ってられないけどね


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・これが裏銀座かぁ。元気な時に歩いたら楽しいだろうなぁ〜


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・テラさんは常に一定ペース。離されて行く私。もうちょっと我慢すれば…


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・やった〜!鷲羽岳の山頂です!

 

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・12:40  鷲羽岳登頂完了!遂に来れました〜


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・テラさん無理言ってすみませんでした!

 

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鷲羽岳から続く尾根が、鷲が翼を広げた様に見えるとか。いや、私には見えない…。でも絶景過ぎます!


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・結構ビビったのがこの槍ヶ岳。鷲羽池も凄いけど、槍ヶ岳がなんか凄い!手前赤い岩の場所は何?槍ヶ岳の左手に伸びるのが噂の北鎌尾根?槍ヶ岳ってやっぱり凄い…


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・時間がないので、少し休憩して下山開始。帰りは三俣蓮華岳方面から回って雲ノ平へ。多分こっちのルートは大回りです。


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黒部川源流がある谷と、その背後に黒部五郎岳


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・なんか槍ヶ岳が怖そうな場所に見えるのは私だけ?


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・三俣山荘は閉まってました


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・更にハイマツの林を行く


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・振り返ると鷲羽岳。かなり綺麗な山!行けて良かった〜

 

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・紅葉が本当に素晴らしい!


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黒部川源流に向かっております


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・谷底まで下りて来ました(汗


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・13:40  黒部川源流碑に到着。テラさん曰く、一度来てみたかったそうです〜

 

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・問題はここから。またこれを登る事に


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・今日一番の紅葉ゾーン!


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・タイトルは鷲羽岳と紅葉!キレイです〜


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・そして私は停止寸前…。いよいよ帰れるか不安になって来ました。テラさんは本当にタフ


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・日本庭園と呼ばれる場所を通過。辛い


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・やっとで祖父岳の分岐へ。ヨチヨチと


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・無事に雲ノ平に戻ってきました


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・15:00 無事に雲ノ平山荘へ。山荘は宿泊の方で賑わっており、交流もありました。これから折立に帰ると言うと皆さん引いてました〜。ピーチネクターを一気飲みして少しパワー回復!


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・後はひたすら来た道を帰るだけ!


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・薬師沢の急登は下りもやっぱり手強い。ここさえ超えてしまえば…


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・16:40  薬師沢小屋に戻って来ました。なんとかテラさんのペースについていけてます


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・あの上の尾根が太郎平


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・太郎平への登り。テラさんは見えなくなり、私は半分寝ながらフラフラと進む。もうダメかも…流石にもう限界が訪れてます。今日はトータルで3000m以上登ってます。もちろんこの領域は初。良くやっていると自分を褒めたい…


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・夕日に照らされる薬師岳


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・そして太郎平小屋へ。もう日が落ちます


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・18:00 太郎平小屋。小屋の中は宿泊者の夕ご飯で賑わってます〜。小屋の前をテラさんと通ると、小屋の中の人がザワついて、少し恥ずかしかったです。


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・ナイトハイクは確定ですが、問題は折立林道のゲートの閉鎖時間。

太郎平から折立の登山口までコースタイムで3時間。1時間ぐらいで駐車場にゴールしないと、ゲートの閉鎖に間に合わずに、また折立で一泊する事に…。


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・もう自分的に限界はとっくに通りこしてしまいました。少し眠くて、結構寒くて。足元も力が入らない。

 

テラさんが弱ってる私に、「もう今日はダメかもね…。」と笑いながら優しく言って来たので、私は最後の行動食を口に押し込みながら、「大丈夫ですよ、私、本気だしたら結構凄いですから!私を置いて先に行ってください。そして駐車場に着いたら車ですぐにでダッシュしてゲートに向かい、ゲートのおっちゃんに私が来るまで閉めないでくれとお願いしてください。私は必ず行きます!(笑

そして絶対今日下山して最高の温泉に入り、最高の牛丼を食べましょう!