霞沢岳(標高2646m 日本ニ百名山 )
西尾根のピストンルート
登山日 2021/3/18(木)
総歩行距離 13.8km/累積標高差↑1640m↓1640m
体力度★★★★☆
危険度★★★★★
絶景度★★★★★
※あくまで個人的な感想と計測
【コースタイム 】
坂巻温泉→釜トンネル→登山口→霞沢岳山頂(ピストン)
・登りCT不明 →結果5:20
・下りCT不明 →結果3:45
・トータルCT不明 →結果9:05
※結果のタイムは休憩時間も含む
【登山口へのアクセス】
西尾根の登山口は、上高地へ続く釜トンネルを抜けてしばらく歩いたところにあります。釜トンネルは冬は閉鎖されてますので、当然車やバスで行く事は出来ませんが、歩いて入る事は可能です。なのでトンネルを歩いて向かうしかありません。
もう一つ悩ましいのが車の駐車場所です。釜トンネルの入口付近に車を停める事は出来ませんので(路駐して駐禁切られてる車がたまにいます)タクシーで釜トンネルに行くか、どこかに車を停めて歩いて釜トンネルに向かうしかありません。今回私達は坂巻温泉に車を停めさせて頂き(一日600円)登山口へ歩いて向かいました。ちなみに坂巻温泉から登山口まで道路を4km歩きました。登山口までなかなか長い道のりです。
【今日の温泉】
坂巻温泉 600円
坂巻温泉には車を駐車させてもらったので、戻って温泉にも入らせて頂きました〜。建物はとても趣きがあり、温泉も正に秘湯と言う感じで素晴らしい湯。お湯は源泉掛け流しのナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物泉で、硫黄の香りがプンプンして白い湯の華が漂ってます。
内風呂と露天風呂があり、内風呂はタイル張りであまり広くはありません(4人ぐらいが限界)。露天風呂は宿の外にあるので内風呂から露天風呂には直接行く事が出来ず、一回着替えてから露天風呂に行きます。しかも露天には洗い場もありません。一見不便な気もしますが、露天風呂は本当に素晴らしいの一言!大自然の風呂と言う感じでとても開放感があり、のんびりと入る事が出来ました〜。露天風呂には是非行ってください!
坂巻温泉は松本から新穂高や上高地に向かう国道158号線の途中にあり、あまり目立たないせいかこれまで素通りして来てましたが、ここは本当に温泉の穴場だと思います。また利用させて頂きたいと思います!
【地図等の詳細データはヤマップにて】
https://yamap.com/activities/10298336
【登山レポート】
以前豪雪で敗退した焼岳に、どうしても今シーズン中にリベンジしたい!
前回はラッセル地獄で散々でだったけど、焼岳自体はそんなに登るのは大変な山ではないはずだし、雪が減って固まっている今なら行けるはず。天気の日に焼岳をパーっと登って、この冬の最後の雪山登山を穂高連峰の眺望で締めたい!と、思いまして。
実は先週末も焼岳に行こうとしてましたが、しかし天気がイマイチだったので急遽行先を荒島岳へ変更。今度こそはと思いつつも、今週末もかなり天気が怪しいし…。でも今週末を逃すとその次の週末は娘の卒業式で東京に帰っているし、これでは焼岳どころかもう三月が終わってしまうではないか…。
そこで私はピーカン予報の木曜に有休を取り(仕事がクソ忙しいのに)、強い決意で焼岳登山を決行する事に!一応、穂高好きで平日休みなリョウさんに声を掛けたらラッキーな事に一緒に行こうと言う事になりました〜。
・明日のピーカンを約束する前日の星空
私は仕事が終わるとそのまま奥飛騨へ向かい、平湯の森でゆっくりと温泉につかりながら明日の焼岳登山について色々と考えてました。
明日がピーカンなのはほぼ確定なワケですが、焼岳は山頂まで大して時間かからないだろうから、下手したらすぐに終わってしまいそうなのはちょっと残念。でも平日だし次の日仕事だからそんぐらいがちょうどいいのかなぁとか思いつつもちょっと勿体ない気もする…。リョウさんもきっも物足りないと思うかもしれない。今シーズン最後の雪山登山になりそうだし、もう春が来ちゃうしなぁ…。焼岳には行きたいけどなんかもったいないなぁ。(もったいない病を発症)
なんて考えていると、この前リョウさんと行けたら霞沢岳の西尾根を登ってみたいねと話していたのを思いだしました。しかも霞沢岳は焼岳のすぐ横だから今からでも行き先変更可能。あーよからぬ事を思い出してしまった…
・焼岳から見えた霞沢岳。手前に伸びる尾根が西尾根か
しかし霞沢岳の西尾根は未知の冬期バリエーションルート。雪質次第で登れるのか読めないし、この前乗鞍とかで雪崩事故が起きたばっかだから時期的にチョイ怖い。焼岳より労力も難易度も間違いなく跳ね上がるだろう。行ってみたいのは山々やけど軽いノリで行く様な山ではない。でもいつか霞沢岳を登る時はソロで行く勇気は無かったので、今回はリョウさんも居たりして天気もピーカンだしで、これはまたとないナイスタイミングなわけです〜
そして翌日
・霞沢岳に行く為に坂巻温泉に到着〜。
リョウさんに提案した結果、案の定霞沢岳に登ろうと言う話しになりしました。霞沢の西尾根は二人とも未踏ですし、ヤバそうだったら迷わず撤退と言う事で
・朝6時スタート(チョイ遅めかも)国道を歩いて釜トンネルを目指します。登山口はここから4km先
・いつも車で素通りして良く見てない風景。川が温泉みたいになってて結構凄い
・お馴染みの釜トンネルの入り口に到着。ではヘッデンを点灯して入ります〜
・トンネルは二段回あり
・トンネルを抜けました。リョウさんと好きな車の話に没頭してたら意外と早く着いて良かったです。もうボチボチ残雪期のせいか、なんかあんまり雪無さそう
・本当は行く予定だった焼岳がキレイ
・登山口の目印(登山口の看板ではありません)
・この先へ進みまっせ。トレースなかったらチョイ厄介だな。
・しっかりトレースも雪もありました!カリカリSNOWです。
・道がよく分からないので、とりあえず適当に熊笹の薮を登って(めっちゃ急)尾根上に出ました。最初からバリエーションルート感がプンプンっすね
・尾根を進みます。最初から急続き
・急登はエスカレートしてやがて壁の様になる
・雪カチカチでピッケル刺さらず…
・なんとか一旦登り切った〜。スゲー急じゃん。下を見て感心中。一応ルート上にピンクテープありました。
・木々の合間から穂高連峰が出現〜。やっぱ今日は当たりの日!なんとしてでも無事に登頂したい
・急登をピッケルで登りながらからの、木のアーチをくぐる
・いゃ〜本当に激しい。急登しかない…
・またとんでも氷の壁。アイゼン蹴り込んで、ピッケルのピックをガンガンぶっ刺しながら
・こんなのが連発する雪山はなかなか無いのではなかろうか
・朝日を浴びながら一息
・岩の脇の細い道を進み
・トラバース もチラホラ。気を抜かずに
・また壁や…。今日何回目の壁なんだろうか
・下から見ててヒヤヒヤ。まぁここなら落ちても絶命する事は無さそうだけど
・壁をクリアすると樹林帯の中勾配の急登が延々と続きます。こう言うの結構苦手
・苦しむ私
・そして木々の間から先週末に雪崩が起きた乗鞍岳が出現
・こんなにちゃんと乗鞍岳を眺めたのは初めてかも。カッコいい!本当に雪崩事故は残念…
・やっとで森林限界か
・あの岩場が恐らくネットで見た核心部。その前に、結構スリリングなトラバース が待っていたりします
・絶対ミスれない感じのトラバース 〜汗
・トラバース をクリアして核心部に接近中
あの岩をよじ登りまっせ。岩場の先に見えるピークが山頂なのか!
この岩場も壁です!当然岩にはアイゼンもピッケルも刺さらないから逆に怖い
・頼りないロープが張ってありますが、意外とこれに助けられました
・こんな感じで登って行きます。ていうか結構怖い。落ちたら終了系ですね
・もしかしてオレびびってない?
・登りきりました!結構スゲーとこ登って来てるなぁ〜
・山頂だと思っていたピークのずっと先にまだピークが?えっ、どこか山頂なん?
・しかも想定外のナイフリッジゾーンも。核心部はまだ終わってなかったと言う事か…。怖くて立てないし。岩と木にしがみつきながら
・ナイフリッジゾーンもなんとかクリア〜汗。
・ナイフリッジゾーンを振り返る。ヤバいです
・どこや〜山頂は。危険は無くなったけど山頂が遠い。雪が地味にズボズボ
・横を見ると上高地を一望。真上から見下げている感がハンパない。霞沢岳が壁みたいな山なんだなぁと言う事を実感
・そしてどうやらあのピークも山頂では無さそう。核心部を越すとなんだか別世界にらなって来た
・今日最初で最後の登山者の年上っぽいご夫婦?カップル?と少し話しました
・なんだここは〜!めっちゃ穏やかでいい場所!多分あの丘が山頂っぽいです。こんな山頂だったなんで山容からは全く想像出来なかった
・そして山頂へ!かわいい標識とグレイトな穂高ファミリーがお出迎えです
・スリリングな道のりでしたが無事に登頂完了!予想外にいいとこ過ぎて結構衝撃的な山頂です〜
・穂高がマジでスゲ〜!本当はこれを焼岳で拝むはずだったんだけど、山の位置関係的に霞沢から見た方が確実に凄いと思われる。今日は本当にピーカン過ぎて感動して泣けて来ます
・笠ヶ岳アップ。この冬は行けなかったなぁ。まずは夏からですね
・本当は今日行く予定だっ焼岳。また来年の冬トライします!
そして焼岳越しの白山。何故かやたらと白山がデカく見えたので最初白山とは思いませんでした。
・登って来る時にも見えた乗鞍岳。本当に素晴らしいです!
・そしてその向こうに御嶽山〜
・一周まわって常念と蝶ヶ岳も〜
・360°絶景過ぎてシャッターが止まらん!
・リョウさんも撮影に奮闘中
・リョウさんお馴染みのやつ(笑
・二人で記念撮影〜。雪の霞沢岳はスリリングで絶景すぎて本当に最高過ぎる山でした!
・名残り惜しいけど、じゃあ絶景を拝みながらボチボチ帰りますか〜
・本当素晴らしい眺望っす
・行きも恐ければ帰りも怖い…
・またナイフリッジゾーンへ。私は左手ピッケルは苦手です
・崖下りもヒヤヒヤ(汗
・慣れて来たせいか恐怖が薄れて来てる。景色凄いしなんか楽しい!
・流石にクライムダウンで慎重に
・ガンガン下るだけなので帰りは楽チン
・そしてまたクライムダウン
・無事に下山完了!帰りはあっちゅーま
・後はトンネルを潜って坂巻温泉に帰るのみ
・朝は暗闇だったのに帰りは部分的に照明が点灯してました。トラックの音が怖いっす
・とにかく長い
・あー、はよ温泉に入りたい
・やっとで坂巻温泉に到着!
・坂巻温泉は意外と大きくて味のある建物。今度機会があれば宿泊してみたくなりました
・露天風呂が本当に良すぎて感動。泉質もいいし岩に苔とか生えててまさにネイチャーって感じ
今回思いつきで急遽焼岳から霞沢岳に行先を変更したわけですが、スリリングな道のりも、凄すぎる穂高の眺望も、間違いなく今シーズンナンバー1の雪山登山となりました!焼岳には本当に申し訳ないですが、私の直感で行先をこっちにして大正解でした〜
先日の爺ヶ岳もそうでしたがやっぱ冬期のバリエーションルートは色々な意味で凄いです。確かにハードでテクニカルで危険な箇所も多くリスキーではありますが、その代償として普通では出来ない体験や、光景が待っているわけです。来年は更にレベルアップして、色々なバリルーに挑戦してみたいですね!その為にも精進しないと。
今シーズンの雪山登山は本当に色々なところに行けて、色々な経験も出来て良かったです〜。
これからはもう春ですね。北アルプスへのゲートも開き、これからは7月ぐらいまで残雪期となりますので、今後も気を引き締めて楽しみましょー
ではでは