今日も山を登って来ました

山登りへの思いやレポートを写真で紹介するブログです

赤牛岳と高天原温泉は遠く【後編】

赤牛岳(標高2864m 日本二百名山

水晶岳(標高2986m 日本百名山

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折立から雲ノ平から周回ピストンルート

登山日 2022/10/1(土)〜10/3(月)

総歩行距離 53.1km/累積標高差↑4315m↓4315m

体力度★★★★★

危険度★★★★☆

絶景度★★★★★

※あくまで個人的な感想と計測

 

【コースタイム 】後編

(ニ日目)赤牛岳→高天原温泉→高天原山荘→雲ノ平キャンプ場

・トータルCT7:50 →結果7:20

(三日目)雲ノ平→薬師沢小屋→太郎平小屋→折立登山口

・トータルCT8:05 →結果8:10

※トータルに昼休憩時間は含まない

 

【登山口と駐車場】

車で立山ICから80分。立山方面へ向かい、有峰林道(有料2000円)を通って折立キャンプ場へ。有峰林道ゲートは7:00〜20:00通行可能。でも入る場合は19:00までらしいです。前日入りする場合はご注意を

 

【地図等の詳細データはヤマップにて】

https://yamap.com/activities/20017475 

 

 

赤牛岳と高天原温泉は遠く【後編】

 

誰もいない山頂で恒例の自撮りを終えた後、目の前に広がる立山連峰や巨大な薬師岳を眺めていたら、後から途中で追い抜いたおじさんが登って来た。大分前に抜いたのにもう来たのかとその速さにちょっと驚いた。

おじさんは自分と違ってかなり大きなザックを背負っていて、後で重さを聞いたら16kgぐらいとのこと。そう思うと凄い体力とスピード。そしておじさんは清々しい表情で僕に話しかけて来た。

「イヤぁー、赤牛本当に遠い!やっと来れたよ。でも予想以上に時間かかっちゃってねぇ」

おじさんはザックをドサッと下ろすと、笑顔で僕にスマホでシャッターをお願いして来たので薬師岳立山をバックに何枚か撮ってあげた。

話しによるとおじさんさは入山して今日で四日目らしく、立山から入って五色ヶ原で一泊、その後薬師峠で一泊、昨日は僕と同じ雲ノ平で一泊、そしてここまで来たみたいで。この後読売新道から黒部ダムに下りて更に一泊して扇沢から帰る4泊5日の縦走なのだとか。素直に凄いし、テント担いでこんな縦走が出来るなんて本当に羨ましいと思った。

「奇跡の天気だよね〜、この時期に5日とも晴れるなんて。おかげて予想より暑かったけど本当に来て大正解だった。ここから見る水晶と穂高の景色もそれに立山も、こんなの見た事ないし」

とご満悦。正にその通りだった。こんな青空の下で北アルプスの果てでこんな景色を見れるなんて奇跡だ。

ヘボい僕は予想以上に疲れ果ててしまいバテてしまったけど、本当にいいタイミングで赤牛岳に来れて良かったと実感。僕はおじさんと北アルプス談義を交わしながらお互い昼飯の準備を始めた。

実は水晶岳で行動色を食べただけで、ここに至るまでに水以外何も口にしておらず、エネルギーを使い果たしてしまいガス欠寸前。だからギリギリセーフって感じ。その代わり袋ラーメンとインスタントのおかず、ラーメンに入れる雑炊用の白米にぎりとインスタントコーヒーなど色々持って来てなかなか豪華。念願の赤牛岳登頂だから多少重くなっても出来るだけ昼飯に妥協したくなかったわけで。

ゆっくり昼休んで、これだけ食べればとりあえずまた体力は復活するだろう。この旅の食料は限られているので、行動食とかは最小限しか持って来てないけど、帰りにもし腹が減ったら途中の小屋で食べればいいかと思って。

ザックからガス缶を取り出しバーナーをセット、そして水が入ったハイドレーションとコッヘル(鍋)を取り出そうとしたら何故かコッヘルがない。いくらザックの中を漁ってもどこにもない。本当にコッヘルがない。そして僕はしばらくするとコッヘルをテントに忘れて来てしまった事をやっと理解した…。

そして僕はおじさんの愉快な北アルプストークに相槌を打ちながら真面目に青ざめていた。

このガス欠寸前の状況で、湯を沸かさないと昼飯を食えないのに湯を沸かす為のコッヘルがない…。お湯無しでいける食料は雑炊用のパサパサのおにぎり一個と、塩タブレット数個と水だけで、もう行動食すら残ってない。

僕はパサパサのおにぎりを良く噛みながら水で流しこみ、おじさんの話しを聞き流しながら、この後の工程について色々と想像していた。

非常にマズイ事になってしまった。本当にこの先歩き続ける事が出来るのか。大人しく来た道を通って雲ノ平に戻っても6時間。コースタイムによると何故か行きより帰りの方が長く、あんな岩だらけの登り返しまみれの道をまた歩きたくない。

もし当初の予定通り高天原を経由して雲ノ平に向かった場合、なんと8時間。しかもあまり良い噂を聞かない未踏の得体の知れないルート。温泉に入ればもっと遅くなる。この後正午前に再出発するとどっちを選択しても雲ノ平に着く頃には日が暮れてるのは確実で。

とりあえず高天原温泉はもう無理。リスクがデカすぎる。今来た道をこの残り少ない体力でまた戻るのはかなり気がひけるけど、そうするしかない。せめてもう少し食料があれば無理してペースを上げるなりしてふんばれたけど、本当に歩けなくなってしまったらシャレにならない。日が暮れてでも温存しながらゆっくり行くのが無難だろう。

まさかこんな状況になってしまうとは。本当に自分はアホだ。そう思った。

するとおじさんが昼食を終えてまたあのデカいザックを背負った。そしてまた何処かの山で会いましょうと別れを告げると読売新道の方へ向かって歩いて行った。

そして僕も半分絶望しながら荷物をまとめてザックを背負うと再び水晶岳に向けてヨチヨチと歩き始めた。

来る時はあんなに楽しかったのに

と思いながら

 

 

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・やっと来れた赤牛岳。本当に素晴らしいお天気でなにより〜

 

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・この角度から薬師岳を見るのは初めて


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立山黒部ダム。この前は黒部ダムからこっちを見ていた。その背後に広がる後立山もお見事!

 

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・そして来た道を振り返ると水晶岳。左手の槍ヶ岳も右手の笠ヶ岳もこの角度だと二つとも良く似てる。笠ヶ岳って見る角度で全然印象的が変わる山なんですよね


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・昼食を終えると縦走おじさんと別れを告げた


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・10/2 AM11:45 さて、体力がもつかわからないけど、なんとしてでも雲ノ平まで戻るしかない。でもまたこの道のりを戻るのは本当に気が引けるわ…(汗


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・とばさずに無理せず温存しながら進む。休憩したからまだ元気だけど、やっぱ腹が減ってる様な気がする

 

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・右手の谷の向こうに高天原温泉があるはずなのだけど。向こうに見える平らな台地がこれから帰る場所の雲ノ平


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野口五郎裏銀座な尾根が嫌味なぐらい白い。アレは雪ではありません


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・わかっていたけどアップダウンがやっぱ本当にエグい。しんどすぎる〜(汗


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・PM13:10 そしてなんとか高天原温泉との分岐である温泉沢の頭へ戻ってきた。なんか凄い疲れてしまってもうフラフラ…(汗

 

やっぱダメ。すぐ疲れるし、すぐ胸が苦しくなるし、何より足が重くて力が入らなくて辛い。きっとあのクソ不味いおにぎりパワーももう尽き気味なんだと思う。

本当にどうすればいいのかと思いながら大きめの岩に座りこんで水を飲んだ。とにかく何か食いたい。じゃないと不安で仕方ない。水晶小屋がやってれば飯が食えたけど、残念ながらやってなかったわけで。

 

しばらくボーっとしていると僕はある事を思いついた。

そうだ、高天原山荘でなんか食べれば!

雲ノ平山荘がやってるんだから、雲ノ平から高天原温泉に行く人多いだろうし、流石に営業してるはず。高天原山荘までは地図を見る限りひたすら下るだけだし、下りは得意だから距離が長くてもそんなに体力消耗しないはず。飯さえ食ってしまえば多少日が暮れても雲ノ平までガス欠で倒れる事はない。

我ながら名案だと思った。今自分に必要な事は飯を食って体力を回復させる事。またこんな岩ボコの水晶岳をフラフラしながら登り返すぐらいなら、高天原に下って飯を食った方がマシ。

と言う感じで、まともな飯を食べたいの一心であまり深く考えずに高天原温泉方面へと向かってしまったけど

人は追い込まれると冷静な判断が出来なくなると言う事を僕は今回の登山で改めて学んだ気がする。

山で確実に帰ろうとと思ったら、多少辛くても、時間がかかっても、歩き慣れた知ってるルートを選択するのは鉄則なんだと思う

 


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・分岐から高天原へ。待っていたのは凄まじいガレザレ激下り。ちょっと気を抜くと滑ってズリ落ちそうになる(汗。地味に怖すぎる


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・さっきまでいた赤牛岳を眺めながら


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・なんじゃこの未だかつて味わった事の無い様なやべー下りは!こん感じで遥か下方に見える沢まで下りて行くっぽい。後悔発動中(汗


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・下りながら見上げてみる。こんなの登りたくないわ(汗


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・やっとでザレザレ急登がおさまってきた。あーしんどすぎた…。助かったのか…。次は正面に見える樹林帯に入っていくのかも


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・やはり樹林帯の中へ


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・普通の山道になった。塩タブを舐めて水を飲みながら一息。ていうか、もうガス欠してる気がする。すぐに息が上がるし、正直歩くのも立ち上がるのもやっとで…。

地図で見るとまだ高天原山荘は相当先。とりあえずこの樹林帯を抜けて沢に出よう。沢に出ればもう少しマイルドな道のりになるかもしれない

 

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・PM14:15 ここからは温泉沢と言うらしい。その名のとおり川沿いにひたすら進むだけだからそんなに大変ではなさそう。ちゃんと目印もあるから道も大丈夫ってことか。なんか一安心


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・しかしどうやら道らしい道はほぼ無く、ひたすら川の石の上を進んでいくみたいで…(汗。大丈夫なんかねぇ


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・すると倒木を使ったアクロバティックな渡渉ポイントに遭遇。なんとか渡れたけどこれ道?その後しばらく進むと水量はどんどん増していき


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・遂に詰んだ(汗。道はないけど、川の向こうの方に目印らしき物が見える。これはルートなんだろうか。どこをどう通っていいかさっぱりわからんのですが…。しばらくキョロキョロしながらルートファインディングを実施


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・えーっと、これを渡れと…。岩の上を飛んで進むのは多分滑って危険。一眼カメラも持ってるし、転けたらマジでシャレにならん…。川に入るしかない。

と言う事で、もはや靴を脱ぐ気力も残ってないから靴のまま川の中へ入り、バチャバチャと渡る…。そしてその後も


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・なんなんだよこれ。登山道とかじゃなくてただの川だし…。本当にこれ以上進んで大丈夫なのか。不安しかない(汗。と言ってももう引き返せないわけなんですけど


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・道は無いけど良く見ると目印は一応ある。何度も何度も川をバチャバチャと渡る。所々流れが強くて足を取られそうになる。転けない様に渡る。どんどん足が冷える。そして全然前に進まない…(汗

もうダメ。こんな状況でこの先ずっと歩けそうにないし、凄い時間かかってるし、実は川が怖かったりするし、スゲーしんどいし、心身共にとうに限界を超えてる。真面目にこっちに来るんじゃ無かった。こんなとんでもない秘境に飛び込むぐらいなら水晶に行った方が絶対楽だったわ…。

高天原から雲ノ平までまた結構な登りになるだろうから、今日はもう無理だしギブっす。

こうなったら高天原山荘に泊まるしかない。一応金はある。温泉入って、飯食って、ゆっくり寝て、早朝雲ノ平に戻ろう。明日も長いし、こんなのやりたく無かったけどもう仕方ない。こんなとこでのたれ死にたくないし…。

とりあえず早く山荘に行きたい


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・ひたすら無心で川を行く。とにかく長い。全然温泉に着かないのは何故なのか。早く小屋で飯食ってぶっ倒れたい。そんな妄想をずっとしてる


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・あっ、なんか川の脇に温泉的なのが湧き出ている!!


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・そして向こうの茂みで作業してる人が!


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・PM15:10 遂に高天原温泉へ!

高天原温泉と言うのは、どうやらこの川沿いの小さな野湯だけみたい。(女湯もありますが)。

これが噂の日本で一番遠い温泉。入りたくても遠すぎてなかなか入れない幻の温泉。

作業してる人に聞いたら入っていいらしいので正直風呂どころの状況ではないけど、ここまで来たんだからもちろん入らさせていただきますわ。後は小屋で寝るだけやし〜

 

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・ふあぁ〜、極楽や〜、生き返るわ〜

お湯は硫黄臭くて少しぬるめ。浴槽も真っ白に染まっていてかなり濃い感じでした。三脚持っていたから入浴風景を記念に撮影。

(タオルが少し浸かってしまいスミマセン)

色々あったけど、赤牛岳登頂だけでなく、一応念願の高天原温泉にも遂に入る事が出来た!と言う事で


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・作業してるのは山荘の人みたいで、女性専用の風呂の小屋を解体しているらしくて。なので入れるのは自分が入っている混浴のみ。


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・ありがとう高天原温泉、温泉バカとしては入れて本当に良かったです!良き思い出になりました〜


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・着替えたら山荘へ。すぐ近くではなく20分ぐらい山道を登るハメに…(汗

 


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・PM16:10 遂に今日の寝床へとうちゃく〜!人の気配はありませんが、でも入口は開いてる〜、助かった〜


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・すみません、ごめんください!

反応がない。何回呼んでも人の気配がない。小屋の中を覗いても人はおらず真っ暗…。

まさか閉まってるのか…(汗

小屋のまわりをグルグルしたりして人を探したり呼んだけど結局誰もいなかった。さっき温泉にいた二人が小屋の人だったのか。

しばらく外のベンチで座って待ったが、誰も来ないので遂にあきらめた…。

本当に考えが甘すぎた、と反省。温泉に向かわずに来た道を帰っていれば、今頃大分雲ノ平に近づいていたはずだ。


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・とりあえず温泉代をお支払い


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・そして絶望しながら覚悟を決める。

 

小屋の人が帰って来るのを待って、泣きつくと言う手もあるけど、僕もいい大人だし迷惑をかけたくもないから、やはり雲ノ平を目指します。

まだ相当距離がある上に、しかもここからはずっと登りになるはず。歩けなくなったらビバーグしよう。緊急アルミ保温シートはあるし。でもビバーグしたところで食料はないわけだけど。でも水は補給出来たからしばらく死ぬ事はないだろう。


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・本当に綺麗でいいところだ


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・紅葉も素晴らしい


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・出来れば昼間にのんびりと来たかった

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・橋を渡り、しばらく進むと


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・また橋が、と思ったら


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・流されたのか、撤去されたのかは定かではないんだけど、とりあえず橋はありません(汗。結構な水量だったけど、川に入ってなんとか渡る…。

本当に今日はめちゃくちゃ。だんだん腹立って来たわ。色々破綻しまくってる(怒


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・こっから遂に登り坂が始まり…


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・あー、大した登りじゃないのにツライ…。辛いを通り越してるわー(汗


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・PM17:18 なんとか高天原峠まで来ると、ここから登りが更にエスカレートする


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・あぁ、地獄やー、これはなんの仕打ちやー(汗。


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・遂にヘッデン点灯。数歩進んでは止まり、数歩進んではまた止まり…


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・連続ハシゴゾーン。ハシゴ登らせるとか頼むから勘弁してや…(涙


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・やっとで雲ノ平まで登りきったのだろうか。活動停止中


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・なんだよこれ。もう森は結構です


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・まためちゃくちゃ登らせるやんか…。いよいよヤヴァい


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・樹林帯を再び抜けると今度は岩場登りへ…


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・小屋の明かりか!!って思ったら月だった(汗。ついに幻覚症状が…


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・ていうかクソ寒いし冷える。心細すぎ


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・ひたすら岩登り。キリがねーし。なんか体がプルプルしてる。とっくの昔に限界通り越してるんだけど、なんで体が動いてるのか不思議…。体って凄い。自動運転モードだよね


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・すると何故か下る。しかも岩と岩の間ドロドロ。何度も岩に座りこんで停止。もう辛すぎて本当ダメかもしれない。ビバーグするか。どーしよー(汗

 

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・現在19:00。地図を見たら実は距離的には後チョット。なのに到着予想時間が21:17って、あと二時間以上かかるやん!頼むから流石にそれは無いと訂正してくれ。本気で僕に謝ってください!


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・そしてまたひたすら登らされる。こんな闇の中、俺何やってるんだろう…。まだ上が遠い事が月明かりで分かり深いため息。

こんなに辛いを通り越して、わけわかんなくなってるのになんで体が動いてるんだろう。エネルギーは大分前に尽きているのに、苦しいながらもヨチヨチとは動ける。完全にサブ電源で動いてる感じ。これはもしやエヴァンゲリオンで言うとこのS2機関なんじゃないかと…


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・おー、やっと来たか〜(涙目


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・助かった…


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・小屋の中からは楽しそうな声が溢れてる…


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・倒れそうになりながらも売店でドリンクを購入。ジンジャーエール飲んだら胃が拒否して吐きそうになった(汗。

なんか全身が痙攣してる。凄く寒いしいよいよヤバい。結局ビールは飲めなかったし


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・こっちは死にそうなのになんでこんななテン場が遠いのか…


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・PM19:37 ただいま〜!

テントに入ると着替える気力も無く、なんとかダウンを羽織り寝袋へ。そのまま気を失う様に眠りました。心臓の脈や動悸が凄くて、全然おさまらなくて、どうなるのだろうとチョット怖かったけど…


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・そして平和な朝が訪れる

かなりダルいけど昨晩の様な異常な感じは無くなっていて。回復してるっぽい

 

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・昨日の夜食べるはずだった中華丼を調理して食べる。昨日で終わりならあれはあれでハッピーエンドだったのかもしれないけど、実は今日も長い…。


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・AM6:45 疲労感がハンパないですけど撤収完了。食料や水とか減ってるのに、帰りはザックが逆に大きくなるアルアル


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・サラバ水晶、サラバ雲ノ平。酷めに遭わされたけど楽しかったです!

 

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・目指す折立はあの稜線の更に遥か向こう


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・行きも地獄なら下りも滑りまくりで地獄のエンドレスの直登岩場(汗


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・昨日程ではないけどしんどすぎる。三日分の疲労感が凄い


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・先日賑わっていた薬師沢小屋の休憩デッキも撤去中。高天原山荘の絶望がフラッシュバック


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・太郎平への登りがラスボス級。また死ぬかと思った…(汗。なんか色々辛すぎて感覚が麻痺してる


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・PM 12:45 太郎平でご褒美ラーメン〜。久々にまともな飯にありつけた


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・本当に今回の登山、泣けるぐらいクレイジーだったよね!!

 

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・その後は折立に向かって平和にのんびりと下山。長いだけで本当にめんどくさい


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・PM15:35 無事に折立へ帰還。三日間お疲れ様でした〜(汗


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・靴がボロボロに。今回の山行の壮絶さを物語ってる


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・帰りは癒しのスパ・アルプスへ!もちサウナ


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・なんと、偶然さん(三宅弘城さん)が来てたんですね!偶然偶然、なんかこれ見てやっとほっとしたわ〜。サウナ最高〜、ロウリュウでスッキリ!

 

この夏はなんだかんだで頑張りすぎたので、もういい加減楽な山登りをさせてくだい(汗。

でも色々な経験が出来て勉強にもなり、なんだかんだで楽しい夏でした!

 

ではでは

 

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